こんにちは。ぼんやりスズメです。
師走はバタバタしますねぇ。
先日ニュースを見ていたら、「人生会議」について取り上げていました。
みなさんは「人生会議」ってご存知でしたか?
私はそのニュースで初めて知りました。
「人生の最終段階やもしもの時に、どのような医療やケアを望むのか、前もって家族などと話し合うこと」を言うのだそうです。
ちょっと調べてみたら、国が名付けて推進しているものなんですね。
「厚生労働省のHPでは、ネーミング発足のニュースや普及活動の動画など、色々と発信されていました」
すごい会議名だなーとびっくりしましたが、中身を聞くと言い得て妙ですね
そういったことを「元気なうちに」話をしておくことはとても大事だと私も思います。
実はニュースを見たその日は、ちょうど実家に行く予定でした。
いいタイミングです。両親の今の考えを雑談ついでにでも、確認できるといいな。
そんな気持ちで実家に向かいました。
今回は、その時の父との会話を書いてみました。
結果的には、あまりうまいこと話せませんでした(^0^;)
「人生の最終段階」とか「もしもの時」とかのワードの重みを、思っていた以上に意識している自分を感じ、ちょっと意外でした。
迷走した「人生会議」(?)になりましたが、ある家庭のほんの一例としてご覧いただければ幸いです。
- 実家には80代の両親が2人で暮らしています
- 母からの依頼は「父とたっぷり話してほしい」ということ
- 父との「第一回・人生会議」トライしてみました
- どうする? もしもの時
- 「人生会議」をするには自分自身の心の準備も必要かも
実家には80代の両親が2人で暮らしています
父は認知症です。ここ2年ほどで、症状が少しずつ進行しているように思いますが、今のところは母のフォローがあれば日常生活は送れます。
上の3月に書いたブログの時と比べると、最近は昔の記憶と現在の生活とが混ざる時間が多めになってきたように思います。
母はとてもしっかりしていますが、足腰を悪くしていて、その影響で体調を崩しがちです。でも、人手を借りることに前向きではありません。
母からの依頼は「父とたっぷり話してほしい」ということ
その日訪問したら、両親では手が回らない雑事等もやろうと思っていたのですが、母からは「お父さんとたっぷり話してほしい」と言われました。
母曰く、頭の刺激のためにも、喋ることが父にとって良いことなのはわかっている。
でも、辻褄の合わないことを何度も言ってくる父の話し相手をすることに疲れてしまう。最近では、相づちを打つことさえ、したくなくなる時がある。
なので私には、「ぜひたっぷりと話し相手をしてあげてほしい」のだそう。
それならば、ということで今回は父とサシで「第一回・人生会議」を開催する事に。
・・・・それにしても、母、相当疲れていますよね。懸案事項です。
父との「第一回・人生会議」トライしてみました
父は1秒前のことも忘れてしまいます。ただ瞬間瞬間の会話はできます。
ありがたいことに愉快な性分は、いまなお残っているので、軽口を叩いたりしながら、「今、この時」の会話を楽しむことができます。
この状態でいてくれているうちに、父の『大切にしたいこと』や『どう生きていきたいか』を探れたら、と思いました。
「体調はどう? 何か困ってることはないですか?」
「体は元気なんだけど、頭がおかしくなっちゃったよ」
「85歳だから、いろいろヘンなこと出てきても当然なんじゃないの? 」
「俺は85歳か?! そんなになったのか。もうすぐあの世にいくからな」
「まだ行かないでくださいよ。おじさん(父の兄)もまだお元気よ。順番からいうとまだだと思いますよ」
「そうか。アニキは元気か。でも順番じゃないからな、こういうのは」
記憶をもとに構築していく会話は難しいですが、話を引き出していくと調子に乗って喋る父です。
そして、同じようなことを繰り返しているなーと思っていると、急にどきっとするようなことを言ったりします。
誤解なきようお断りさせていただきますと。
実際にはこんなにスムーズに会話できていない箇所も多々あります。
例えば、85歳を納得してもらうためには、生まれ年を確認して計算してみたり、今日の年月日を新聞で確認してもらったり等々、本来はそういうやりとりもしているのですが長くなるのでそれらは省略しています(^^)
「どうですか? やはり色々と忘れていっちゃいますか?」
「忘れるねぇ。自分では思ってもないことをやってるみたいでよく怒られてるよ」
「そうか。へんなことやっているって、自分では思ってないんだ」
「そうよ。自分ではちゃんとやってるつもりなのよ。でも、頭がサーッと白くなってなんにもわからなくなるんだな」
「人間の頭って不思議だねぇ」
「本当に不思議よ、あんたもよく覚えときなさいよ」
「私もお父さんみたいになるかもしれないね」
「あんたも もともと忘れっぽいタチだからな」
「そうだ! 後学のためにも、あちらに行く前に、ぜひ85歳の気持ちってものを私に教えといてくださいよ」
「遺言か?」
突然「遺言」という言葉が父の口から出てきたので私はびっくりしてしまいました。
あとで思えば、この流れで「人生の締めくくりの希望」や「考え」などを聞き出せたのではないかと思うのですが、動揺してヘンな方向に舵を切ってしまいました・・・・。
「遺言っていうか・・・教訓かな。なにか名言を吐いていってくださいよ。
メモにとって覚えておくから」
「ああ、お父さんは立派だったなーって覚えておくのか」
「そうそう。それにさ、私が85歳になったときに、色々忘れてきても、ああ、お父さんもそんなこと言ってたなー 同じ道歩いてるんだなーって安心するんじゃないかな」
「それはそうだな」
「なんかない?人生の先輩からのアドバイス。」
「人生はいいときも悪いときもあるんだからね。朗らかに生きなさいよ」
「あら いいこと言うねーメモしておくよ。さすが85歳は違うね」
「俺は85歳なのか? 」
話がまた戻ってきました(笑)。
実のあることを聞き出そうという下心(?)があると、なかなかきっかけがつかめないものですね。
というか、どこか踏み込めない気持ちが出てきて、話をずらしている自分がいます。
どうする? もしもの時
父との人生会議(お喋り)は続きます。
「俺は85歳か? 来年はこの世にいるかな」
「いてくださいよ。寂しくなるから」
「手がかかるのがいなくなって、せいせいするんじゃないか?」
「そんなことないよ。いなくなったらみんな寂しがるよ」
「それは嬉しいこと言ってくれるね。私は何かになって君たちを見守ってやるからな」
いつものような話が続いていたと思ったら、急に新しい展開になりました。
「え? 何になるの? 鳥とか? カラスとか?」
「何になろう。カラスはやだな 嫌われるだろ」
「じゃあ、スズメになってよ」
「スズメか、それくらいの大きさがいいな。」
「合図を決めておこうよ。お父さんだってわからなかったら困るから笑」
「家の中に向かって3回鳴くからな笑」
「お父さん、そう決めたことを忘れちゃうんじゃない?(笑)」
「忘れちゃうな(笑)」
確かに「もしもの時」の話ではありますが・・。
話が斜め方向にいきがちです。
でも覚えておこうと思います。
ただ、この日、この言葉だけは聞き出せました。多分、本音でしょう。
「最期はそりゃあ、家でがいいけどな。でも周りが大変だからな」。
しかし、なぜこの言葉が出てきたのか??話の前後がサッパリ思い出せないのです。
たしか、父が唐突に言い出したような気がするのですが、またもや私がびっくりしすぎたせいで、その言葉だけが頭に刻みこまれそれ以外のことは忘れてしまいました(>o<)
「人生会議」をするには自分自身の心の準備も必要かも
私の実家では、以前から、どのような医療やケアがいいのだろう?ということは、わりと話題にしていた方だと思います。
それは親類に、介護が必要な人がいたり、難病を患う人がいたりと、色々なケースを目の当たりにすることが多く、家族で話す機会があったからです。
そうした中で私が両親の思いとして、うっすらと聞いていたのはこの2点です。
- 延命措置をうけることはしたくない。
- (場合にもよるけど)高齢になったら手術はしたくない。
ただ、きちんとは確認していません。
なので、「人生会議」という言葉を知り、「そういえば今はどう思ってるんだろ。確認しあった方がいいよなぁ。よし、聞いてみるか。」と、実家に向かう時はそれくらいの気持ちでいました。
これまでどうり、サラッと自然に話せると思っていました。
でも、あまりうまくできませんでした。
それは認知症を患う父とだから会話が噛み合わない、ということではありません。
母にも、話しを振ることができませんでしたから。
単に、自分の中に遠慮の気持ちが発生し踏み込めなかったのです。
考えてみれば、色々と話せたのは、両親が今よりも元気な頃でした。
母も体調が悪くなり、父も認知症が進行しつつある現在。
一生懸命、毎日を過ごしている両親に、もしもの時、とか最期、とかをイメージさせるような話は、なんだかやっぱり言い出しづらいものなんですね。
我ながら自分の気持ちの動き方に驚きました。
とはいえ、ここで躊躇しててもなぁ・・。
いっそ、厚生労働省のパンフレットでも持参して「最近、世の中、こんなこと言ってるるみたいよ」とサクッと話題に突入する方がすんなりと話せるのかも。
「人生会議」。
私の場合、まずは自分自身の心の準備が必要だ、と気づかされた1日になりました。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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