こんにちは。
ぼんやりスズメです。
昨年の5月に介護認定の申請に向けて動きだして以来、父は多くの方に支えていただいています。
本当にありがたいことです。
昨年の今頃は ↓こんな感じでしたが、約1年の間に色々変化しました。
今現在の様子はまだブログに書けていないのですが・・。
おかげさまで 今も母と2人、在宅で暮らせています。
ところで。
多くの方々と関わりを持つ中で、私がちょっと意外に思うことがありまして。
それは、父への「話しかけ方」に関してのことなのですが。
「あれれ?それでは通じないんじゃないかなぁ・・」と感じることがままあるのです。
もちろん みなさん、とても一生懸命に関わって下さっているんです。
にもかかわらず、どうもコミュニケーションがとれていない、という状況がなきにしもあらず・・・。
それって、両者にとって、なんとももったいないこと(>o<)
今回は、たいへん生意気ではありますが、「こんなふうに話しかけるだけでも、通じやすくなるのになぁ」と思っていることをまとめてみました。
あくまでも父の場合ということにすぎませんが、似たような状況下にいらっしゃる、どなたかのお役に立てたら嬉しく思います。
- 耳が遠くて認知症でもあるけど、わかっています。
- 大きな声でも伝わらないことがある。
- 反応しないのは 話しかけられていると思っていないから
- 省略した会話も、一気に続く会話も、難易度が高いみたい
- 「ところで話は変わりますが」が混乱を防ぐキーワード
- 伝わりやすくするための、ほんの少しの工夫とは?
- むすび
耳が遠くて認知症でもあるけど、わかっています。
父は耳が遠いので、対面時、普通の距離で話しても聞こえません。
また、認知症を患っているので、スムーズな会話が難しいところがあります。
へんてこりんな返答もあれば、同じことを繰り返すことも多々あります。
ちなみに耳鼻科での診断によると、父の聴覚は「補聴器を必要とするレベル」だそう。
(※集音器は持っていますが、好きでないようで日常的にはつけません。補聴器を使用するかどうかは結論が出ないでいます。)
そして、アルツハイマー型の認知症で、介護度は2です。
それでも、話しかけ方に少し工夫をすれば、ちゃんとコミュニケーションがとれます。
私がそう感じたのは、父と電話で話すと、それなりに楽しく会話ができるからです。
なので、私は、父がよくわからない様子だったり、とんちんかんな返答をするのは、認知症が理由だけではなく、よく聞こえていないから、という理由も大きいのでは?と思って対応するようにしています。
大きな声でも伝わらないことがある。
「父は耳が遠いので」と前持ってお伝えしておくと、皆さんは大きな声を出して、なるべく耳元に口元を近づけるようにして「●●さーん、■■ですねぇ」などと、話しかけてくださいます。
テンポもゆっくりにしてくださいます。
しかし、そうまでしてくださっているのに通じないこともあるのです。
父が理解していないようだと感じると、一層声を張ったりして下さる方も多いのですが、逆効果だったりします。
さぞかしお疲れになることと思います。ほんとに申し訳ないです・・・。
懸命に話しかけてくださっている方を見ながら父自身が恐縮して言ってました。
「なんでだろう、俺の耳が変なのかな? ぜんぜん何を言ってるかわからないんだ」。
どうやら父には聞き取りやすい音域があるようで、その音域より高めの声だと、いくら大きな声を出してくださっていても聞き取ることは難しいようです。
なので、そんな時私は、「テンション」と「声の音程(?)」を下げていただけるよう、それとな~く、や~んわりと、お願いするようにしています。
そうするだけで、それほど大声を出さなくと通じたりするのです。
もちろん、近距離での会話であることが前提です。
「これ、お願いのしかたが、なかなか難しいんです」
反応しないのは 話しかけられていると思っていないから
次はお医者さんとお話する時によくあるケースです。
父の診療時には私が同席していますので、詳細は私から説明します。
その途中で、お医者さんが突然 父に向かって「痛いのはどんな時なの?」などと話しかけたりすることがあります。
先生は私と話していた時よりもはるかにトーンをあげて、大声で聞いてくださいます。
でも父は、シーンとしています。視線もあわそうとしません(笑)。
なぜならば、それは、自分が話しかけられているとは思っていないからです。
多分、「よく聞こえないしわからないから、自分は黙っておこう・・」的な感じで座っているのです。
そんな時には「これからあなたに話しますよ」という態度を示すといいようです。
ちなみに、父の名前を呼びかけながら、膝をポンポンと触れ、色々な質問をして下さったお医者さんには、父は楽しそうに応答しています。
省略した会話も、一気に続く会話も、難易度が高いみたい
日常的な会話はできますが、話題があちこちに飛んだり省略した会話には理解が追いついていかないようで、曖昧な顔をして黙っている父。
だから先ほども書きましたが、「痛いのはどんな時なの?」というような聞き方も、たとえ、顔を見て問うてくださったとしても父には難易度が高い質問だと思います。
色々な情報を省略しているからです。
こんなときは、面倒に感じるかもしれませんが、順繰りに話しかけていくほうが実はスムーズです。
「●●さん、最近、腰が痛むようですね。」「どんな時に痛いと感じますか?」とふると、ちゃんと理解して答えています。
それから、一気に話し続けられるのも、難易度が高いみたいです。
「つま先が壁にぶつかってしまうのでもっと頭を上にお尻もグッと上の方に持っていってくださーい」。
句読点がなしで(笑)一気に伝えていた理学療法士さん。
元気な方なので肺活量もたっぷり。
明るく大きな声で話しかけてくださっていましたが、父の反応は?状態。
戸惑ったままです。
でも、短文で会話していくと・・・。
「これから運動しますよ。」
「私が? これから? 運動は大好きだよ。」
「このままだとつま先がぶつかって危ないですね。」
「おお、そうだな。ぶつかっちゃうな。」
「頭の位置を、もう少しだけ上にもっていけますか?」
「こうかな?」
応答しつつお尻をもぞもぞとさせながら、指定された場所まで動いていくのでした。
「ところで話は変わりますが」が混乱を防ぐキーワード
話題を変える場合も、少し工夫するだけで伝わりやすくなるようです。
実家では、母がよくこんな感じで父に話しかけがちです。
「 この間、美味しいと言ってたコロッケやさん、今日は臨時休業で買えなかったよ。あ、そろそろ、2時も過ぎたし出かけよっか? 予約は3時だから。」
色々な情報が省かれ、そのうえあっちこっちに話題が飛んでいます。
書き出すと支離滅裂な感じですが(笑)会話としては自然です。
話の流れでわかるだろう・・とやってしまいがちな話し方。
でも、これだと父は無言になり、コミュニケーションをとることを諦めてしまいます。
全部の話題が繋がってしまい混乱起こすようです。
しかし、「ところで話は変わりますが」と一言断ってから別の話を出すと、頭の混乱がしずまり、話しが進みます。
「この間、美味しいと言ってたコロッケやさん、今日は臨時休業で買えなかったよ。」
「そうか、臨時休業か。それならしかたないな。私はコロッケなんて食べたかな?」
「やだ、お父さん、美味しいと言ってましたよ。
ところで話は変わりますが。 今日はこれからクリニックに行きます」
「クリニック? そんなの聞いてないぞ。行かないよ」
「伝えましたよ。3時に予約をしたので、そろそろ出かけたいと思います」
「何時に予約したの?」
「3時」
「今、何時だ?」
「2時ですよ。ここから●分くらいかかるからね」
「なんだ、どこに行くって??」
・・・・とまあ、こんな感じで何回も同じ質問があり、何度も答える、という流れはあるものの(笑)、一応、次の行動に思考は向いていきます。
こういう会話を投げてくるのは、親しい間柄が多いと思いますが、その他にも、頭の回転が速いタイプの方もとりがちなケースなんじゃないかな?とひそかに思っています。
伝わりやすくするための、ほんの少しの工夫とは?
そんなわけで「ちょっと心がけるだけでコミュニケーションがとれる(可能性が高くなる)やりかた」をまとめてみるとこんな感じになります。
- 大きくても高めの声だと聞き取れにくい可能性がある。
- 普通のテンション&できるだけ音程低めの声でゆっくりと話すと伝わりやすい。
- 話しかけられても反応しないのは、自分に対して話しかけているとは思っていない可能性がある。
- 体に触れて、あなたに話しかけますよ、という態度をとったあとに質問すると答えてもらいやすい。
- 長文で一気に話しかけるのは通じにくい。短文の会話にするとわかってもらいやすい。
- 話題がかわるときは、「ところで話はかわりますが」を入れると頭を切り換えられるらしい。
改めて眺めてみると、その昔、祖母がお世話になっていたグループホームのスタッフさん達がとってくださっていた行動に繋がるなぁと思いました。
(今さら、私が書かなくとも「当たり前よ」と思われる方も多いかと思います。どうぞお許しを・・・。)
むすび
認知症であることと、聞こえないこととが混ざっていると、あっさりと「わからない人」扱いされがちです。
シーンと反応しない父の様子を見て、そこからは、父の存在をまったく無視して私とだけ話し出す方は結構多いです。
もちろん、話を手早く進めるために私が付き添っている、という面もありますので、それをどうこう言えません。
ただ、同時に、自分がそうなった時、「どうせわかるまい」と思われて放っておかれたら悲しいなぁ・・・とも、思います。
そんなことを心がけていたら、時間がかかる。いちいち対応していられない!と思うかもしれません。
父だって、この手法がいつまで通じるかはわかりません。
でも・・・。
「ほんの少しの働きかけで 会話がスムーズになることも あるんですよ」
そんなことが言いたくて、それでついつい長々と書いてしまいました。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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