こんにちは ぼんやりスズメです。
実家で、父と5時間ほどいっしょに過ごしてきました。
よく考えてみたら、そんな長い時間を父と私だけで過ごすなんて、今までになかったかもしれません。
認知症が少しずつ進行している父は85 歳。
しっかりとした時とフワッとした時との境界線をいったりきたりしています。
最近はフワッとしている率が高いかな?
今の父とふたりだけで過ごす時間はどんなふうになるんだろう・・と、少し不安もありましたが、いざ過ごしてみるとあっという間に過ぎました。
思うことも色々ありましたので、書き留めておこうと思います。
似たような境遇にいらっしゃる方のなにかの参考になれば嬉しいです。
父の留守番におつきあいすることにしました
コロナ禍を経て、認知症が進行しつつある父。
幸いなことに、食べることも歩くこともトイレに行くことも問題ありません。
ただ、ひとりで生活できるか?というと難しいです。
例えば、着替える、歯を磨く、薬を飲む、ひげを剃るなどなど。誘導すれば行動にうつしますが、ひとりでは思いたちません。やり方を忘れることも増えてきている様子。
特に危険だと思うのは、気温の変化に対応できないことです。
真冬でも窓を開けて裸足でいたり、逆に真夏に窓を閉め切っていたり・・・。
常に母が誘導をし、フォローをしています。
一日中密接に過ごしているふたりですので、どうしてもイライラしあいます。
お互いにストレスを抱えている様子が伝わってきます。
最近では、母がののしり、父が手をあげそうになった、なんて物騒な話も耳に入ってくるように(>o<)
- 少しはふたりが離れる時間をもとう
- 母には帰りの時間に気にせずに外出してほしい
- これは母のためだけではなく父のためでもある
そんな提案を、当初は断っていた母でしたが、ようやくのみました。
父をひとりにして外出することが、だんだんと不安になってきたことも背中を押したようです。
ということで、今月から母がちょっと長めに不在にする日は私が実家に行き、父と過ごすことに。
とはいっても、月に1,2回程度。それも5時間程度のこと。
でも、私達にとってはなかなか大きな一歩です。
というのも、母はいわゆる潔癖症で、人を(娘でも)家に入れることを避けたがるタイプだからです。
ましてや、自分の不在時に人を入れるなんて本来ならしたくないのです(^0^;)
娘たちが手助けしたくともなかなか一筋縄ではいかないこと、おわかりいただけるでしょうか。
父と過ごした時間にやってみたこと
父とは話が合います。
週に1回の「ご機嫌お伺い電話」時には20分~30分程度は喋っています。
でも、4,5時間もの時間を一緒に過ごすとなると・・・どうしようか?
変な緊張感が高まり、念のため小道具や話のネタを用意したうえで(笑)実家に向かいました。
外出する母を見送った後は父と昼食
父は「食べることだけが楽しみだ」と言うだけあって、なんでも喜んで食べます。
それはいいのですが、とにかくアッと言う間に食べてしまうのが玉にキズ。
そして食べたことを忘れて「俺はまだ食べてないぞ」がお約束。
そんなときのために食べている様子をスマホでパチリ。証拠写真を用意しておきましたが・・・。
今回は言い出しませんでした。
どうやら父も、私とふたりでいることで緊張感を持っている様子。
なぜ私が来ているかはわかっていないようですが。
糸電話を作り、試してみる
昼食を終えたあとは、かねがねやってみたかったことに取り組んでみました。
糸電話で父と会話をすることです。
父の会話のちぐはぐさや、変な反応は、耳が遠くなって聞こえていない、ということも大きな原因のひとつではないかと思っている私。
「電話で話すときは、とても反応がいいんです」
耳に直接受話器をあてるので、声が聞こえやすいのでしょう。
では、超アナログではあるけど、糸電話はどうだろう? ということで試してみことに。ダメもとです。
実は母にこのアイデアを言った時は、とりあってもらえなかったので、不在の時が試すチャンスです。諸々道具は持参してきました。
父曰く「なんで糸電話なんて作ってるんだ?」「誰が喋るんだ?」
おお! 糸電話の概念は残っているようです。
人と話す時に使うおもちゃだということも覚えている様子。いい感じです。
ただ、出来上がった糸電話で話してみると・・・。
「声はよく聞こえるけど、何をいってるのかわからない」だそう。
残念。
本格的な補聴器や、簡易的な補聴器的なものも、使いこなせない現在。
超アナログの糸電話は、何かの役に立つ・・・かも?
要検討事項としておきましょう。
肩もみ&背中のマッサージ
肩も背中も硬くなっているようなので、しばしの間、肩もみとマッサージ。
血行が良くなるせいか、気持ちがリラックスするせいか、話が通じやすくなります。
お互いに顔を見合わせていないから、というのもポイントかもしれません。
ここで、母の体調があまり良くないのだ、という話をしてみます。
というのは、父は母の体調が悪いことを分かっていないのです。
口が達者な母なので、母=すべてが元気だ、と思い込んでいます。
覚えてくれているかわかりませんが、背後から「母にやさしくするようにしてよ」と話しかけつつ、肩をもみもみ。
サブリミナル効果のように(?)伝えてみました。
第一回目のおやつタイム
日本茶とお煎餅をいただきました。
3パックあるお煎餅のうち「お母さんに1パック取っておこう」との言葉が。
私のサブリミナル効果が効いたのか?
後に母に伝えると「スズメの前だからかっこ付けてるのよ」と言ってましたが。
でも、かっこつけ上等!!です。
地域包括支援センターや介護保険申請のことを話してみる
現在のところ両親ともに介護保険申請はしていません。
ふたりとも、乗り気ではないようです。
でも、私としてはそろそろ考えようと思っているところです。
この日は、両親が住む市の地域包括支援センターの方に教えていただいたことや、
それに伴う資料を色々と持参してきていました。
当然、母に相談することしか考えてませんでしたが、ふと、時間もゆっくりあることだし、父の意向も聞いてみようと思いたちました。
ざっくりとした説明をしたうえで、地域で見守ってもらえる体制も整えていこう、そのためにも介護保険の申請を考えよう、という提案をしてみました。
父はものすごく真剣な顔をしながら聞いていました。
そして言ったことは・・・。
「何かあった時には相談にのってもらうことができる所があるのは安心だ。ありがたい」。
「自分としては受けるのは問題ない。でも(他人を家に入れたくない主義の)母がどう言うかが心配だ」
「母は好き嫌いがかなりあるから、入ってくれる人との顔合わせなどがきちんとしたほうがいいと思う。そういうことはできるのか?」
母の性格を踏まえた心配をちゃんとしています。
そのことから、父なりに考えて言ってることがわかりました。
最近は、色々なことを父抜きで決めたりしていましたが反省しました。
こんなことも言ってました。
「昔は、(お年寄りを見て)自分はあんなふうにはならない、と思ってたけど、なるもんなんだなぁ」
多分、これらの説明を聞いたことも、自分の意見も、100%忘れていると思います。
でも、父の思いとして母や妹には伝えようと思いました。
ラジオ体操をしてみる
座りっぱなしだったのでラジオ体操をすることに。
体操の順番はきちんと覚えており、率先して動いていました。
会社員時代、昼食後にラジオ体操をしていたと聞いていましたが・・・。
体が覚えているものなんですねぇ。
そして、体操しながら私に突然言ったこと。
「子どもがいなくてかわいそうだなぁ」
母と一緒の時には(多分そういった類いのことは言わないようにしろ、というお達しが出ているのでしょう)言うことはないのですが。
本音のところではそう感じているんだなぁ・・・と思いました。
「これから作るのはどうか?」
「いやー 50過ぎてますからね。いくらなんでも無理だねー」
「そうか」
そのような言葉に傷つくことはまったくありませんが、やはりびっくりするものです。
第二回目のおやつタイム
クッキーとコーヒーをいただきました。
父にドリップバッグコーヒーを淹れて、私も・・という時に、母が帰宅。
母は、予定より1時間以上早く帰ってきました(^0^;)
母と入れ替わりで私は帰宅。
本当は私が夕飯を作って置いていく、というところまでやりたいと思っていますが、母は強く固辞。私と私の夫に遠慮してのこと。
まぁ、ここらへんはぼちぼちとやっていきましょう。
むすび
父との時間は思ったよりあっという間に過ぎました。
準備していった小道具やネタは、それほど必要ではなかったです。
逆に、思いもしなかった介護保険申請の話などもそれなりにできたことに驚きました。
そして、父はといえば・・・。
私と(母以外の人と?)過ごす時間が新鮮だったのでしょう。
普段よりしゃっきりしていたようです。刺激は大事ですね。
そして、この試みは母のストレスを少しでも解消させること。
と同時に、母の意識を変えていく練習をする、という狙いもあります。
今まで、娘のヘルプの申し出をノーサンキューし続けてきた母ですが、やっと受け容れることを決心させたのが「今後のための練習」という言葉でした。
これから、色々な方々の協力をいただきながら生活していく可能生が高まっていく中で、まずは、身内である娘にも父のフォローを少しずつ任せてみる。
ひいては家の中に他人が入ってくることに慣れていく。
はてさて。
母の意識改革に繋がるかどうか???
なかなかに濃い1日でありました。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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